雑談は「内容」よりも「感じのよさ」が大事!――『雑談が上手い人が話す前にやっていること』より

上手な雑談で場を和ませることができれば、ビジネスにも良い影響が生まれます。『雑談が上手い人が話す前にやっていること』(ひきたよしあき著、アスコム)では、雑談に対する苦手意識をガラッと変革し、雑談が楽しくなる秘けつが明かされています。

『雑談が上手い人が話す前にやっていること』(ひきたよしあき著、アスコム)書影

雑談と印象の深い関わり

雑談といえば、「家族との雑談」「友達との雑談」「仲のいい同僚との雑談」「会社の上司との雑談」「偶然会った知り合いとの、場をつなぐための雑談」など、さまざまな種類があります。なかでも、特に「気を遣う相手としなければいけない雑談」を苦手と感じている人が大半ではないでしょうか。
つまり「雑談が苦手」という人は、「たわいもない話をすること」「場を和ませる話をすること」ではなく、「気を遣う相手と話をしなければいけないこと」を苦手に思っていることが多いのです。

世間一般に雑談の苦手を克服する方法は、大まかにいえば次の2つに分かれます。

①雑談の技術を磨く
②雑談が苦手というメンタルを克服する

どちらも正解ですが、もっと手前で、雑談の苦手を克服するためのとても大切なことが、「感じのよさ」です。これが、雑談においてとても重要なポイントとなります。

ここで、「雑談の3段階ピラミッド」をご紹介しましょう。一番下が「①感じのよさ」、その上が「②メンタル」、最上位に「③技術」という構成のピラミッドで、下にあるほど大切だと捉えてください。

雑談の3段階ピラミッド

「感じのよさ」は、雑談において土台となる部分。これを身につけるだけで、雑談に対する苦手意識を大きく減らすことができます。雑談が苦手な人は、まずは「感じよく」するところから始めればいいのです。

「感じのよさ」を出すための2つのポイント

ここであなたが思う「感じのよい人」を思い浮かべてみてください。きっと笑顔だったり、服装がきちんとしていたり、元気な人が思い浮かんだはずです。
まずは、自分の服装や姿勢をしっかりと見てください。「感じのよい人」になる一丁目一番地は「見た目」です。『君主論』の著者マキャベリは、「人は一般的に、内容より外見で判断する。内面を判断できる洞察力を持つ者はまれである」と語っています。嫌な話ですが、これは現実。目からの情報で他人を判断する人はとても多いのです。会話の内容やテクニックを気にする前に、見た目からよい人と思ってもらえるように整えることが大切なのです。

もうひとつのポイントが、「会話中に感じよくする」こと。雑談のときの「最強の表情」は、結論からいえば「笑顔」です。
アイドルの人も接客業の人も、みんな笑顔でいようとします。それは、人を相手にするとき、笑顔が最大の武器になると知っているからです。笑顔は、相手から好感を勝ち取り、警戒心を解くための、手軽で効果のある武器なのです。とりあえず笑顔になれば、おのずと楽しいという感情が生まれてくるはずです。

「会話のトスを上げ続ける人」になる

ここでひとつ、雑談が上手くなるための具体的なテクニックとして、「会話のトスを上げ続ける」を紹介しましょう。
「この人と話をしていると、なんだか楽しい」という人がいます。おもしろい話をする人や、テンションが高くて盛り上げ上手な人がわかりやすい例ですが、「会話のトスを上げ続ける人」もこのタイプ。一緒にいると会話が弾むけど、実は、相手は「会話のトス」を上げているだけで、つい自分がおしゃべりになって話してしまう……という人です。
話すのが苦手ならば、「会話のトス」=相手に聞く、質問することで雑談に加わればいいのです。さらに、自分の話の最後に必ず質問をつければ、より効果的です。「時間」「場所」「人」「モノ」「手段」などを尋ね、「YES」「NO」で終わらせないようにしましょう。会話のトス役に徹すると、特に自分から話さなくても口下手に見えず、話を回しているように見えるのです。

雑談は「会話内容がすべて」ではない!

雑談で大切なことは、会話の内容だけではありません。多くの人は、つい会話の中身を重要視してしまいがちですが、「雑談=相手に感じのよい人だと思ってもらう場」だと考えれば、さまざまなアプローチ方法が考えられます。
一朝一夕で感じをよくすることは難しいですが、先に述べた服装や姿勢、笑顔に気をつけて、加えて会話のトスを上げ続ける努力をすれば、きっと周りの人から「感じのよい人」として認知されていくはずです。そのうえで、雑談のスキルを向上させるためのさまざまなコツを磨いていけばよいのです。

本書の要点

①雑談においてもっとも重要なのは「感じのよさ」

まずは、雑談に対する苦手意識をなくすことが第一段階。「感じよくする」ことなら、誰でも、すぐにでもできるはずです。そこから始めれば、雑談が苦手で嫌いであっても、劇的に変化できるでしょう。

②雑談のキモは「会話を始める前」

雑談で大切なのは、目先のスキルやテクニックを身につけることではなく、実は「会話を始める前」です。「感じのよさ」を武器に、雑談する土壌をしっかり整えて臨みましょう。

③ベラベラと饒舌にしゃべることだけが雑談ではない

自分にできそうなことをやりながら、ちょっとずつ雑談の技術を身につければOK。たとえば、「会話のトス」=相手に聞く、質問することで雑談に加わると、特に自分から話さなくても口下手に見えず、相手が気持ちよく会話を楽しめます。ちょっとだけ話し方を変えれば、誰でも楽しく雑談ができるのです。

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上記記事は、本文中に特別な断りがない限り、2025年1月17日時点の内容となります。
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