不動産家賃のクレジットカード対応

キャッシュレス決済が浸透した現代社会。家賃の支払いにおいてもそのニーズは高まっています。
口座振替よりもクレジットカード(以降、カードと表記)でという需要は確実に存在するものの、いざ対応しようと考えると手数料の兼ね合いで二の足を踏んでしまいがちです。
しかしながら、家賃のカード払いに完全対応している、もしくは部分的に導入を検討している不動産業者は確実に増加しています。
どういった事情があって増加しているのか、その背景を探っていきましょう。

管理者側から見るカード払い

銀行からの振り込みなど従来の方法では、手数料は基本的に家賃を払う入居者側に発生しますが、カード払いではその逆で家賃を受け取る側に手数料が発生します。不動産管理会社や物件オーナーなどの管理者側から見て、これはデメリットといえます。
しかし同時に、カード払いに対応することで発生する大きなメリットも見逃せません。こここでは例として3点ご紹介いたします。

・他の物件との差別化
入居希望者がインターネットで物件を検索する際の条件として、「カード払い対応」の項目が今では普通の存在になっています。特に早く入居者が現れることを希望して物件を掲載している場合は、より多くの人の目に留まることが重要です。この条件を加えた候補に除外されない、ということは大きなメリットといえるでしょう。

・業務の効率化
銀行口座からの口座振替による自動引き落としなどは確実で便利ですが、登録されている印鑑とは異なる場合などにより手続き完了までに時間がかかることがあるのがたまにきず。長いときは、口座振替登録の完了に2〜3か月かかるケースも。その間は請求書による振込や直接現金でのやり取りなど、家賃を支払う側も受け取る側も、手間や時間の都合が発生してしまいます。
この期間だけでも口座振替と同様にカードから毎月の引き落としが可能になれば、個別の督促や入金確認などの煩雑な業務を効率化することが可能です。

・確実な家賃支払いの安全策
こちらは徐々に一般的になってきた、家賃保証カードを利用する際のメリットです。カードが限度額で使用不可になっている場合でも保証会社が代わりに家賃を支払うなどのサービスが付帯した商品もあり、管理者側にとって未回収リスクを軽減できるような仕組みになっています。そういった商品を利用する場合には、ある程度確実に家賃が支払われるうえ、カードを発行する会社によっては連帯保証人が不要になる商品もあり、入居希望者にもメリットが発生します。

入居者側から見るカード払い

ニーズがあるということは、入居者側にもカード払いによるメリットがあるということ。そのニーズを満たすことで、より入居者に選ばれる物件になっていきます。今度は、そんな入居者側のメリットを見ていきましょう。

・使い勝手がいい
なんといっても家賃ですから、決して小さな額とは言えません。カード払いであれば現金を用意する必要がないので、手持ちの状態を気にすることなくいつでも家賃の支払いが可能になります。現金のあるタイミングに左右されないというのは、払う側にとっては大きなメリットとなります。

・まとまった金額が必要でも大丈夫
特に新規入居時は、敷金・礼金をはじめとした入居費用がかかるもの。まとまった額のお金が必要になりますが、個々の状況によってはタイミング的に少々厳しい、ということも考えられます。その費用もカードであれば分割払いができますので、スムーズな入居手続きが可能に。そして入居者が分割払いを選択しても、管理者側へは一括で支払われるので安心です。

・口座振替以外の多様なニーズ
カード払い対応のニーズと一口に言いますが、入居者個別の事情によりその内情も異なります。カード払いがメリットとなる入居者のパターンを見てみましょう。

  •  カードのポイントなどを理由に支払いを一本化したいパターン
  •  本人が口座振替にしたくないパターン(個人的な事情で口座情報を出したくないなど)
  •  メインの銀行口座が海外で手続きが面倒なパターン(生活基盤が国外にあったケースなど)
  •  家賃・光熱費などの支払いを家族カードで管理されている学生のパターン

他にも個人の事情は無数にあると思われますが、このように口座振替よりもカード払いの方にメリットを感じる入居者は決して少なくはありません。


今回は家賃のカード払い対応が増加している背景と、その理由についてお届けいたしました。手数料はかかるものの、入居者のニーズへの対応や業務の効率上昇などがそのデメリットを上回ることで、カード払い対応に踏み切る管理者が増えています。
もしあなたのところでもメリットが上回ると感じたなら、積極的に導入を検討してみてはいかがでしょうか。

決済業務効率化について、わかりやすく資料にまとめましたのでこちらもぜひご活用ください。

上記記事は、本文中に特別な断りがない限り、2024年10月18日時点の内容となります。
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