事業承継、成否の鍵を握るのは「組織体制の再構築」

事業承継では株式の譲渡手法が注目を集めがちですが、同時に2代目がしっかり活躍できる企業体制を構築していくことも非常に重要となります。事業承継後、さらなる飛躍を遂げられるかどうかは、この組織体制の構築にかかっていると言っても過言ではありません。

創業社長と2代目の違い

事業承継の成否は、株式の譲渡手法だけで決まるものではありません。多くの専門家が指摘しているように、後継者主導の組織を新たに構築していくことが、今後の会社の成長のために欠かせないのです。強いリーダーシップを持ち、会社を引っ張っていけるのは創業社長の強みですが、2代目に創業社長と同じように振る舞うことを求めてもうまくいかないケースも多いでしょう。事業承継を行うということは、会社が新たなフェーズに移行することを意味しますから、それに合った組織体制につくり直すことが必要なのです。事業承継を機に、組織でしっかりと経営を回していける体制をつくっていくことをお勧めします。

事業承継を契機とした従業員の変化別に見た、売上高年平均成長率の分布

事業再構築で会社はさらに飛躍できる

後継者がリーダーシップを発揮する上で重要となる要素のひとつは「自立型社員の育成・活用」です。事業承継を機に組織体制づくりに力を入れ、従業員の自主性が高まった企業と、そうでない企業では、その後の成長性に差が出てきます。上の図にあるように、やはり「従業員の自主性が高まった」と答えた企業は、成長性が「高」「やや高」が半数以上を占めているのです。

そして、事業承継でご活用いただける、りそな企業投資のファンドも、お客さま企業の株式を取得しつつ、まさにこの後継経営陣を中心とするガバナンス体制を構築しつつ、従業員の皆さまの自主性・モチベーションを高めるための取り組みを、しっかりと対話・伴走しながらお手伝いしていきます。

ひとつ事例をご紹介しましょう。東京都足立区の葛飾冷機センターは、冷蔵・冷凍ショーケースのレンタルを手がける優良企業です。2022年8月から、事業承継を目的としたりそな企業投資との資本提携・伴走支援がスタートしました。

りそな企業投資を選んでいただいたポイントは、「後継者とともに新経営体制を構築し、持続的な事業発展に向けた取り組みを実現できること」でした。現在、経営管理体制の構築のほか、業務効率化による生産性改善や、社内規定の整備・導入などを進めています。

りそなが目指す支援とは

りそな銀行からもスタッフを派遣し、週3回など、必要に応じて高頻度で企業に駐在。実際に新経営陣とともにさまざまな課題に取り組んでいきます。ガバナンス改革や業務効率化などに加えて、従業員のモチベーションを活かし、働きがいのある職場づくりも重要なポイントだと考え、支援を充実させています。銀行ですから、設備投資などに伴う新規の資金調達のお手伝いも可能です。

われわれ銀行関係者だけでなく、税理士や会計士など、銀行ネットワークを活用した外部の専門家との連携も行っています。

事業承継は株式の譲渡だけでなく、会社全体を改革するという大仕事が必要ですから、単なる経営数値のモニタリングといった支援では望む結果は得にくいと考えているのです。

また、コスト削減による足元の業績向上を目指したり、経営陣や従業員の意向に耳を傾けずに強引に組織改革をしたりすると、企業は良くない方向に向かってしまいます。

りそなグループにとって、最大の望みはお客さま企業と末長く良いお取引を行い、お客さまとともに成長・発展すること。したがって、このファンド事業で利益を極大化しようという発想ではなく、お客さま企業と同じ方向を向いて支援をしていける点が強みです。事業承継にお悩みでしたらぜひ一度、お近くのりそなグループにご相談をいただければと思います。

事業承継について、わかりやすく資料にまとめましたのでこちらもぜひご活用ください。

上記記事は、本文中に特別な断りがない限り、2023年11月24日時点の内容となります。
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