ベトナム市場を知る!進出検討企業が押さえるべき現地トレンド

若い労働力と安定した経済成長を背景に、東南アジアの中でも特に注目を集めているベトナム。日系企業の進出も年々増加傾向にあります。
現地には独自の商習慣や産業構造、文化的なトレンドが根付いており、日本企業が成功するためには事前の情報収集が不可欠です。本記事では、ベトナム市場の最新動向と、進出時に押さえておきたいポイントを分かりやすく解説します。

ベトナム経済と市場のいま

ベトナムはASEANの中でも高い経済成長率を維持しており、製造業や外資誘致を柱に安定した成長を続けています。政治・経済の安定性に加え、若い労働人口とインフラ整備の進展など、事業展開における基盤が整いつつあるのが特徴です。外務省やJETROのWebサイトでも、最新の経済・投資環境に関する情報が発信されています。

経済成長率・基本指標

2024年のベトナムの実質GDP成長率は約7.1%となり、コロナ禍からの回復基調が続いています。2025年の政府目標は8.0%以上とされており、ASEAN諸国の中でも高い成長を維持しています。

主要都市の特徴

首都ハノイは政治・行政の中心であり、政府機関や大企業の本社が集積しています。一方、ホーチミン市は経済・商業の中心地で、日系企業の進出も活発です。さらに、中部のダナンは近年物流拠点やリゾート地としても注目され、インフラ整備が進行中です。

注目産業と進出パターン

これまでの製造業中心の進出に加え、ベトナムでは運輸業や商社・情報通信業、販売会社などの非製造分野でも事業展開の動きが見られます。ベトナムに進出する日系企業の中には、ベトナム国内市場を視野に入れた内需向けビジネスに取り組む例もあり、事業モデルの多様化が進んでいます。

消費者行動と現地ビジネスのトレンド

都市部を中心に中間層が拡大し、購買行動にも変化が見られています。スマートフォンやSNSの普及により、デジタルを起点とした商品選択・購入が一般化しており、企業側も販路やマーケティング手法を適応させる必要があります。JETROや民間の市場調査会社などの情報、現地で開催される展示会などへの参加を通じて、現地市場のトレンドをとらえることが重要です。

消費者行動の特徴

スマートフォンの普及とインターネット利用者の増加を背景に、ベトナムではモバイルを中心としたデジタル消費行動が主流となっています。2021年時点でインターネットユーザー数は約7,190万人に達し、EC利用者の増加とあわせて市場規模も拡大傾向です。主要なECモール型プラットフォームとしてはShopeeが圧倒的なシェアを持ち、Lazada、Tikiがこれに続く形で利用されています。若年層を中心にアプリ経由での購買が一般化しており、MoMoやVNPayなどの電子ウォレットの利用もさかんです。

日系・ローカル企業の動向

ホーチミンやハノイを中心に製造・サービス拠点を拡大する日系企業に加え、現地スタートアップとの協業や投資も進んでいます。特にフィンテックや医療・教育分野での連携が注目されており、合弁・提携型のビジネスモデルも多く見られるようになりました。
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進出時に気をつけたいポイント

  1. 労働事情
    ベトナムの労働力は若く勤勉とされる一方で、報告・連絡・相談に対する意識には日本と異なる傾向が目立ちます。さらに、近年は都市部を中心に労働コストが年5〜7%のペースで上昇しており、人材確保や定着への対策が必要です。
  2. 法制度・ビジネス環境
    法人設立に際しては、投資登録証明書などの取得を含め半年〜1年程度かかるケースもあります。また、外資100%出資が認められない業種や、外貨送金に関する為替管理など、進出時の制度確認が欠かせません。
  3. 支援制度・投資優遇策
    輸出加工区やハイテクパークに進出することで、法人税の優遇(10〜17%)減免税の適用、土地貸借料免除などの措置が受けられる可能性があります。加えて、2024年からは「国際最低課税(グローバルミニマム課税)」の導入が始まり、税務対応に関する最新情報の把握が必要です。
    グローバルミニマム課税については、財務省のホームページをご覧ください。

専門家のサポートを受けることが重要!

海外展開を成功に導くためには、制度理解や人材確保、資金調達など、あらゆる領域での専門家支援が不可欠です。りそなグループでは、現地法人設立から銀行口座開設、法務・会計支援、そして現地法人の資金調達支援まで、幅広いサポートをご用意しています。また、ホーチミン駐在員事務所もございますので、最新情報の収集、提供が可能です。お気軽にご相談ください。

  • ご融資に際しては、弊社所定の審査手続きが必要な点をあらかじめご了承ください。

(※)JETRO 調査レポート「ベトナム・オープンイノベーション事例集 ―地場大手8社によるスタートアップ投資と協業―」

海外市場への進出について、わかりやすく資料にまとめましたのでこちらもぜひご活用ください。

上記記事は、本文中に特別な断りがない限り、2025年8月1日時点の内容となります。
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