時代とともに保有不動産の活用状況が変化するのは避けられませんが、利活用できていない物件をそのままにしておくのは税負担や資産運用の観点からも望ましい事とは言えません。
利活用できていない物件は売却や有効に再利用したほうがよいとわかっていても、簡単に決めることができないとお悩みの方も多いのではないでしょうか。じっくり考えて、どうするのがよいかをしっかり見極めなくてはなりません。
利活用できるかの見極め
利活用を検討する上でまず見極めないといけないのはそもそも残すべきなのか、あるいは売却すべきか、です。思い入れがあって大事な物件だったとしても、使い道が思い浮かばない物件は、事業の足を引っ張るだけの存在になってしまいます。売却も検討に含めるべきでしょう。
逆に、有効活用できる用途があるならば、効果的なリフォームや建替えなどの修繕や投資についての検討に入れます。
問題は、物件が「使えないことはない」が、「積極的に再利用したい」とまでは言えない、判断に迷うケースです。なぜ積極的に再利用したいとは思えないのか、その理由の中に答えが見つかる場合も。例えば、再利用はできるが立地条件にやや問題があるならば、売却して立地条件の良い物件に買い換えることが最適解の可能性もあります。
いずれにしても、具体的な事情のある一部の物件以外は、保有していてもバブル期のように大幅な価値の高騰が見込みにくい現在では、税負担や物件維持の負担を考えると、利用せずに遊ばせておくのはお勧めできません。
方針を検討するなら価値を把握する
当然のことですが、所有している物件の市場価値が高ければ高いほど、売却の場合でも、再利用の場合でも有利と言えます。
市場価値の高さは物件の立地(都心、駅近、あるいは特定の地域)、広さ(土地面積や建物の間取り等)、さらにはその組み合わせ(利用目的に合致する立地条件と広さを兼ね備えている)によって概ね決まります。
もともとの利用用途ではなく、異なる利用方法をすると価値が高まるケースもあります。例えば、住宅需要の高い立地、商用目的での利用が見込まれる立地、3,000坪を超える土地などであれば、宅地・商業利用以外にも新たな物流施設やデータセンターとして利活用の可能性もあります。
好まれる物件にするためには?
もし売却検討に入った場合でも、「そのまま売却」するケースのほかにも、「リフォーム・リノベーション・リファイニング」などで価値を高める方法や、建物を解体することで価値が高まるケースなどもあります。いずれも市場価値を理解したうえで、価値向上が見込める再利用方法がある場合や買い手の需要が見込める場合に検討するとよいでしょう。
もちろん、物件は様々な条件や事情があるので、思いつきで決定できる話ではありません。本記事が利活用度合いの低下した物件の方針を検討するきっかけになれば幸いです。実際に売却をするにしても再利用をするにしても、大事な資産の価値を最大化するには、経験豊富で具体的な資産アドバイスができるプロに相談するのがお勧めです。
不動産の有効活用について、わかりやすく資料にまとめましたのでこちらもぜひご活用ください。