3か月に一度、マーケット情報や不動産に関する市況、最新のトピックスなどをお届けします。本記事は2022年冬に発行された、関西向けの内容となります。
【Market REVIEW】大阪はアジア地域の不動産投資見通しで第4位に浮上
- PwCによると、2023年のアジア地域での都市別不動産投資見通しでは大阪は第4位へと順位が上がりました。各国と比較して日本は低金利であり、マーケットの厚みと流動性の高さから日本の人気は高くなっています。
- ニッセイ基礎研究所の不動産市況アンケート結果(2023年1月実施)によると、不動産投資市場のリスク要因として「国内金利」の回答が67%と最も多く、前回調査時点(2022年1月)から35%増加しています。これは、2022年12月の日銀によるYCC(長短金利操作)の許容幅拡大に加えて、2023年4月からの日銀新体制下での大規模緩和政策の見直しに着手することからリスク要因として大きな懸念事項になっています。金利の上昇は不動産価格を引き下げる要因の一つにもなり得るため、今後も注意が必要です。
経済成長率は上方修正も、今後は鈍化傾向か
- IMFによると、2023年の世界全体の経済成長率は2.9%とし、昨年10月時点の見通しよりも0.2%ポイント上方修正されました。引き続き高い物価上昇とそれに対処するための利上げなどが経済活動の重しとなっています。
- また、日本の経済成長率は2022年の1.4%から2023年は継続的な金融・財政政策の支援により、1.8%に加速するとしています。一方、2024年にはそれまでの景気刺激策の効果が薄くなるにつれて、成長率は0.9%に減速する見通しとしています。
百貨店売上高、大阪駅周辺の人出は回復傾向
- 2022年12月における大阪中心部の主要百貨店売上高をみると、いずれの店舗でも2020年を底として年々回復基調にあり、2019年同月を上回る店舗もみられます。
- V-RESASおよびAgoopによると、推定居住地別に集計した大阪駅周辺の滞在人口は、市内居住者が2022年4月以降、概ね2019年同期を上回っています。
- 一方、府内(大阪市除く)・府外居住者の大阪駅周辺滞在人口は2022年9月以降、2019年同期を下回っています。2023年に入ると回復傾向がみられているものの2019年の水準にはあと一歩及んでいません。
2022年近畿圏の新築マンション価格は上昇基調
- 近畿圏の新築分譲マンション価格は、2022年12月には4,006万円(前年同月比▲6.3%)であり、2か月連続で下落しています。2022年を通して近畿圏全体では前年比+1.6%の4,635万円、㎡単価は同+3.1%の77.4万円となり、前年同様に調査を開始した1973年以来の最高値となっています。2022年の初月契約率は72.7%(前年比+2.9ポイント)であり、2年ぶりに好調の目安である70%を超えました。
- 東京カンテイによると、近畿圏の2022年の70㎡当たり中古マンション平均価格は前年比+8.0%の2,816万円と上昇傾向にあり、価格上昇の動きが周辺エリアにも波及していますが、基本的には中心エリアが圏域平均をけん引している状況にあります。
空室率と賃料ともに横ばい、24年以降供給増加
- 三鬼商事によると、2022年12月の大阪ビジネス地区の平均空室率は5.06%(前月比+0.02ポイント)で、募集開始物件の影響が大きかったものの、新築と既存ビルともに大型空室で成約が進んだことから、ほぼ横ばいで推移しています。
- 2022年12月時点の平均賃料は11,872円/坪(前月比+0.03%)であり、2022年を通しては下落傾向が弱まり小幅な上昇も見られました。
- 2024年にはオフィスの大量供給が控えており、8万坪弱の新規供給が見込まれています。2010年以降で最も多い供給量となり、市況への影響も懸念されます。
【Market TOPICS】関西圏のオフィス供給計画
- 本文書に含まれる全ての情報は、当社(りそなグループ)が信頼し得ると考える情報源から取得したものですが、当社はその真実性を担保するものではありません。
- 将来予測は、当社が専門業者として技術および経験において行っているものの、当該予測に影響を及ぼしうる多くの要因があるため、当社はその正確性を保証しません。
- 本文書及び本文書に含まれる情報に基づく投資等のご判断についてはご自身の責任で行っていただくものとし、そのご判断の結果、お客様または第三者に損害または損失等が生じたとしても、当社はこれらに関して一切の責任を負いません。
りそな銀行不動産ビジネス部
住所:東京都江東区木場1丁目5番25号 深川ギャザリア タワーS棟
TEL:03-6704-2376