3か月に一度、マーケット情報や不動産に関する市況、最新のトピックスなどをお届けします。本記事は2025年冬に発行された、首都圏向けの内容となります。
【Market REVIEW】選挙後も日銀の利上げ観測は変わらず 4月追加利上げが有力視
衆議院選挙後、長期・超長期国債の利回りが低下しています。与党圧勝を受け、財政拡大で野党の要求に譲歩せざるを得なくなるケースが減少するとの見方や、高市首相が9日の会見で“為替を含めた金融市場の動向については、政府として常にその動向を注視している”と述べたことから、財政悪化懸念がやや後退したとみられます。
- 一方、日銀の利上げ観測については、選挙前後で大きな変化はみられません。短期金融市場が織り込む4月会合での利上げ確率(政策金利0.75%→1.0%)は76%(12日時点)と選挙直前とほぼ同じです。これは、円安進行で物価が上振れるリスクを抑える為には、適時適切な利上げが必要、との認識が既に政府・日銀の間で共有されており、選挙結果に影響を受けるものではない、と市場が判断している為と見られます。また、自国金利への波及を警戒する米国が、円安・金利高の主因に挙げる“日銀の利上げの遅れ”を解消するよう圧力を強めているとの見方も、早期利上げ観測につながっているとみられます。
- 市場が織り込む2028年始めの政策金利の水準は1.78%です(12日時点)。即ち、向こう2年間に4回(0.25%×4)の利上げが実施されることを見込んでいることになります。
- 国内金利は、日銀の利上げ継続に連れて短期・中期の金利が上昇する一方、やや行き過ぎた財政悪化懸念の後退で長期・超長期金利の上昇が抑えられ、ベアフラット化(金利全体が上昇する中で、利回り曲線の傾きが緩やかになる現象)が進むと予想されます。
(りそなアセットマネジメント チーフストラテジスト 下出 衛)
世界経済は底堅く、日本は減速の見込み
- IMF(2026年1月)によると、世界経済成長率は2026年は3.3%、2027年は3.2%と小幅に低下するものの、堅調に推移する見通しです。成長のマイナス要因としては、関税政策や経済不確実などが引き続き挙げられますが、2027年にかけてこれらの影響は和らぐことが見込まれます。
- 日本においては、政府による財政支出などを背景に、前回10月時点からわずかに上方改定されたものの、2026年は0.7%、2027年は0.6%と2025年からは減速する見通しとなっています。

訪日外客数・旅行消費額ともに過去最高
- 訪日外国人数は高水準で推移しています。直近の2025年12月における訪日外客数は362万人(前年同月比+3.7%)と12月として過去最高人数となりました。2025年通年では、4,268万人(前年比+15.8%)と年間でも過去最多を記録しました。2024年(同+47.1%)から伸び率は鈍化したものの、増加傾向が継続しています。
- 観光庁によると、2025年10-12月期における訪日外国人旅行消費額は、2兆5,330億円(1次速報値、前年同期比+10.3%)と増加しました。国籍・地域別の構成比では、中国が14.0%と最大になった一方、2024年同期(18.7%)からは減少しました。また、2025年通年でも9兆4,559億円(前年比+16.4%)と過去最高を更新しました。

2025年の新築マンション価格は最高値を更新
- 不動産経済研究所によると、2025年12月の首都圏新築分譲マンションの平均価格は8,469万円(前年同月比+15.5%)となりました。初月契約率は63.1%と9か月連続で目安となる70%を下回り、停滞感が継続してみられます。
- 2025年の年間平均価格は9,182万円と2023年に記録した8,101万円を上回り、最高価格を更新しました。東京23区では13,613万円と高水準が継続しており、神奈川・埼玉・千葉を含む周辺エリアでも前年比でプラスが継続しています。発売戸数は前年比▲4.5%となる2万1,962戸と、調査開始以来の最小戸数となりました。また、1億円以上の供給戸数は5,669戸と、年間発売戸数のうち約26%を占めています。

空室率の改善と賃料上昇が継続
- 三鬼商事によると、2026年1月の東京ビジネス地区における平均空室率は2.15%(前年同月比▲1.68ポイント)と引き続き改善傾向となっています。平均賃料も21,648円/坪(同+6.28%)と上昇局面が継続しており、堅調な需要を背景に市況の好調感は続いています。
- 今後も一定規模の新規供給が見込まれています。三幸エステートによると、2025年は当初の予想から約5万坪下振れした16.3万坪となりましたが、2026年は17.7万坪、2027年は8.7万坪、2028年は11.1万坪と引き続き一定水準の新規供給が予想されます。

※東京ビジネス地区=千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区
【Market TOPICS】首都圏のオフィス供給計画

(注)1フロア面積50坪以上のビルを対象、
空室率は年末値

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