誰にもいつかは訪れる相続。資産の状況や相続人との関係性など、考えることは山のようにあります。自身に万が一のことがあってからでは、残された家族に負担をかけかねません。事前にしっかり検討し、円滑な資産承継を行いましょう。
相続の準備、3つのポイント
円滑に相続するためには、財産の全体把握と相続する相手(相続人)が困らないように事前に準備することが重要です。次のステップで確認しましょう。
1. 財産の全体把握
【財産の全体把握】
まず、自身の財産がどれほどあって、どのような状況にあるかを正確に把握しましょう。例えば使い道のない不動産がないかなど、「残された家族に負担になるような財産を残さない」という視点で見直すことが大切です。
【法定相続人の想いを確認】
戸籍謄本を取り寄せ、法定相続人となる人についても確認しておきましょう。病気や認知症などで正確な判断ができない人がいる場合、代理人などを立てる必要があるかもしれず、相続に時間がかかる可能性もあるからです。
また、相続人が不動産管理のノウハウを持っているか、有価証券の売買経験があるか等、相続人の属性も考慮して相続財産を考えてあげることも大切です。ノウハウがなければ生前から伝えたり、いざというときに相続人が頼れる相手(金融機関などの専門家)を用意しておくと、相続人も安心できます。
【遺留分に注意する】
同時に、「遺留分を侵害していないか」に注意しなくてはなりません。遺留分とは、一定の相続人が最低限相続できる財産の割合のこと。兄弟姉妹以外の法定相続人、例えば配偶者や子どもなどに認められています。「遺留分を侵害した」ということで、たとえ被相続人が遺言書で財産配分を指定していても、残された家族・親族の中でトラブルに発展するケースは少なくありません。
2. 納税資金の確保
【相続税への対応】
次に、納税資金を確保します。一定の相続財産を取得した際には相続税の納税が発生し、納税額は相続財産の額によって変動します。「相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月」という期限までに原則として現金で納付しなければならず、申告や納税が遅延すると、加算税や延滞税がかかります。このように急に多額の現金を用意すること自体が相続人の負担になる可能性が高いのです。
納税資金を確保するには住宅や不動産、株式などを売却して現金化するといった方法がありますが、価格が変動する財産も少なくないため、判断には専門的な知識が求められます。
【二次相続を考慮する】
さらに、二次相続が発生した場合も考慮する必要があります。夫婦の最初の相続を一次相続、一次相続で相続人となった配偶者の相続を二次相続といいます。
分割方法によっては、相続税負担の合計が大きく変動する場合もあるため、注意が必要です。
相続税については、りそなのホームページや、国税庁の相続税特集ページも参考にしてください。
3. 財産配分の検討
これまでの段取りを終えてから、ようやく財産配分の検討に取り掛かれます。「1.財産の全体把握」でお話ししたとおり、相続する家族や親族が管理しやすいよう配慮して実行しましょう。
例えば使い道のない不動産は売却するなど、収益性の低い財産に対処しておくこと、生前贈与や資産管理会社を活用し、のちのち管理しやすい状態にしておくことなどがそれに当たります。また非課税枠や各種特例制度を活用すると、相続人の金銭的負担を軽減できる可能性があります。いずれにしても専門的な知識が必要です。
元気なうちに、残された家族のことを考えて対応を
相続に関する判断や対応は、専門家でないと難しい場合も多くありますので、相続財産を正確に把握する段階から相談することがおすすめです。りそな銀行でも相続や事業承継に関する相談を承っていますので、ぜひお問い合わせください。
相続・承継については、りそなのホームページも参考にしてください。
事業承継について、わかりやすく資料にまとめましたのでこちらもぜひご活用ください。