経営者にとって、日々の経営活動は予測不能な課題に対峙することの連続です。市場動向の変化、技術革新、人材獲得と育成、そしてグローバル経済の中での競争力維持は、けっして容易ではありません。これらの挑戦に適切に対処するためには、経営者が継続的に学び、自己成長する必要があります。
自己成長の場として、また経営者間で知見の共有を促進する有効な手段として、経営者コミュニティが存在します。経営者が集まり、経験や知識、課題を共有することにより、自身のビジネスに活用できる実践的な学びを得る場です。
特に、社内では相談しにくい問題がある場合や、第三者の客観的な意見が求められる際に、コミュニティは大きな助けになります。今回は経営者コミュニティのメリットや種類、参加する際の注意点などについて詳しく説明します。
コミュニティ参加のメリット
経営者同士が集まるコミュニティへの参加は、多岐にわたる利点があります。大きく二つに集約できるでしょう。
相談とフィードバックの場
経営に関する悩みは尽きることがありませんが、コミュニティ内で同様の課題に直面している他の経営者と出会う機会があります。相互の課題を話し合う中で、問題解決の糸口を見つけ出すことが可能です。逆に自社の技術や知見が相手の課題解決につながるかもしれません。また、新しいビジネスアイデアに対する相談やフィードバックの交換も行えます。
人脈の拡大
経営者コミュニティに参加することで、異なる業種や年代の経営者との人脈が広がります。最新情報の入手や技術を学ぶ絶好の機会となりますし、さらには新たなビジネスパートナーや取引先、提携先を見つけ出す可能性をもたらします。信頼関係が築かれれば、他の経営者から自社にふさわしい質の高い人材を推薦してもらえることもあります。
コミュニティの種類と探し方
経営者コミュニティは、その主催者によってさまざまな形態があります。
・自治体が主催する経営者コミュニティ
主に中小企業の経営者や起業家、個人事業主の交流を目的としています。
・商工会議所や商工会が主催する経営者コミュニティ
会員企業の経営者に焦点を当て、会員企業の成長を支援します。
・金融機関による経営者コミュニティ
取引先企業間の交流を促進し、大企業とのマッチングの機会を提供します。従って中小企業だけではなく、大企業の経営者も参加することがあります。
・民間企業や個人が主催する経営者コミュニティ
地域の中小企業や個人事業主が気軽に交流できる機会となります。
適切なコミュニティを見つけるには、業界や目的、規模感などを基準にリサーチを行います。自治体や商工会議所など主催団体のホームページ、コミュニティのポータルサイト、関連イベントのSNSをチェックするほか、経営者向けのマッチングサービスを利用する方法もあります。
コミュニティ参加の注意点
コミュニティに参加しても、イベントやミーティングに漫然と出席するだけでは何も得られません。明るく積極的にコミュニケーションを取ることで信頼を獲得し、貴重なビジネスパートナーや信頼できる仲間を見つけることができます。ただし、自身や自社の宣伝に終始したりアイデアを求めるばかりになったりすると、印象が悪化するだけでなく、有意義な交流の機会を逸してしまいます。相手の話に耳を傾け、興味を持って対話を深めることが、結果として自己の成長につながります。
経営スキルを成長させる場
経営者コミュニティへの参加は、業種を問わず多様な経営者との交流を促し、新たな人脈を築き、ビジネスに役立つ情報を得る絶好の機会を提供します。経営スキルの成長にも寄与するでしょう。目的や対象を理解し、積極的に参加することで、そのメリットを最大限に引き出しましょう。
りそなグループが提供する経営者コミュニティも参考にしてみてください。
りそなマネジメントスクール