今こそ節電!コストを抑えつつ脱炭素を進めるコツ

SDGsの達成に向けた活動が浸透してきたことにより、経済活動のあり方も変化してきました。なかでも気候変動を抑えることは重要課題であり、温室効果ガスの削減に世界中で取り組んでいます。とはいえ、「温室効果ガスの削減」というと壮大な目標のように感じられて、何から取り組むべきかお悩みの方も多いのではないでしょうか。実は、脱炭素社会への第一歩は「節電」だということをご存じでしたか? 現在、電力の需給逼迫は生活に直結する不安要素にもなっています。今こそ節電に真剣に取り組みましょう。

脱炭素・カーボンニュートラルとは

まずは、「脱炭素」と「カーボンニュートラル」についてご説明します。環境省の脱炭素ポータルサイトによると、カーボンニュートラルとは「温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させること」と定義されています。これは、CO2等の温室効果ガスの排出量から森林等による吸収量を差し引いて、実質的にゼロにするということ。このために温室効果ガス削減に向けた取り組みや植林による森林の保全管理等が行われており、日本政府も2050年を期限にカーボンニュートラルを宣言しました。
またCO2は、メタンやフロンガス等の他の温室効果ガスと比べて温暖化係数(温暖化に影響を与える力)は1と圧倒的に低いものの、排出される温室効果ガス全体の85%を占めるといわれています(※1)。このことから「CO2を出さない」こと=「脱炭素」が重要なのです。

脱炭素の第一歩は「節電」

CO2を排出しないためには、電気を再生可能エネルギー由来のものに変更するなどさまざまな方法がありますが、再エネ導入はコスト面でためらう企業も多いのではないでしょうか。まずはガソリンやガスなどの化石燃料や電気等、あらゆるエネルギーの使用量を抑えることから検討してみましょう。身近なところで、今すぐに誰でも使用エネルギーの削減に貢献できるのが節電です。より効果的に節電するために、現在の電力使用量を把握することから始めるとよいでしょう。使用量が数値として見えるとより具体的な対策を立てられるため、企業では社員の意識改革にもつながると考えられます。

例えばスマートメーターが設置されていれば、現在の電力使用量を30分単位・遠隔で確認できます。また電力使用の大きい時間やフロアを確認することで、効果的な節電対策が考えられるようになります。
そこからさらにCO2排出量を算定するには、環境省が提供している算定方法に沿って、排出係数一覧や報告書作成ツールを活用して自社(自身)で算出することが可能です。手作業での試算は自社(自身)では難しいという場合は、りそな総研のCO2排出算定支援サービスをご検討ください。
他にも、環境省の脱炭素ポータルサイトにはさまざまな事例が掲載されていますので一読をお勧めします。

現状を知ってから節電の手段を決めましょう

自社の電力使用量が把握できたら、具体的な施策を考えましょう。

インバーターの導入

「インバーター」とは、電気の周波数と電圧を変える「回路」とモーターの回転速度を「制御」する働きを持った装置で、空調機の冷温水ポンプのモーターに接続し、負荷に沿ってポンプの回転数を調節することで電力消費の削減を可能にします。例えば皆さんもよく耳にするであろう「インバーターエアコン」は、高性能な温度調節機能によって消費電力を下げる技術を搭載した製品です。
またインバーターは、電力の流れを供給側・需要側の両方から制御・最適化し使用量を適正にする送電網「スマートグリッド」等、最新技術との連携も進んでおり、今後も活用の幅が広がる可能性が高いとみられています。

エネルギーの使い方を見直す

機器の更新と同時に、節電に向けて各エネルギーの日常的な使い方を見直しましょう。オフィスビルを持っている場合などは、ビル全体の設備運用方法を変えることで大きな効果も見込まれます。例えば電力は一日における使用量の変動が大きいほど負荷率が高くなるため、最大需要電力のピークカットやピークシフトにより負荷率を改善させることで節電が可能に。電気料金は最大需要電力によって料金単価が決まるため、コスト削減にも繋がります。
自社ではなかなか取り組みづらい場合は「エコチューニング(R)(※2)」を活用すると、現状のエネルギー使用状況の検査から適切な運用方法の提案を受けることができますので、導入を検討するとよいでしょう。詳しくは、「脱炭素への第一歩、「エコチューニング」とは」をご覧ください。

節電はコスト抑制だけでなく、社会の持続可能性や自社の事業継続にもつながる取り組みです。ご検討の際はりそな銀行にお問い合わせください。

※1 環境省 「算定・報告・公表制度における算定方法・排出係数一覧」
※2 エコチューニング(R)は、業務用等の建築物から排出される温室効果ガスを削減するため設備機器・システムの適切な運用改善等を行う、環境省が推進する事業です。

SDGsについて、わかりやすく資料にまとめましたのでこちらもぜひご活用ください。

【該当するSDGs目標】

上記記事は、本文中に特別な断りがない限り、2022年9月30日時点の内容となります。
上記記事は、将来的に更新される可能性がございます。
記事に関するお問い合わせは、お手数ですがメールにてご連絡をお願いいたします。