事業承継に銀行系ファンドを活用するメリットとは

創業者の高齢化に伴い、事業承継ニーズは高まる一方です。そんななか、M&Aを活用した事業承継案件も増加しています。事業会社への譲渡や、投資ファンドを活用する方法もあるのですが、2019年の銀行法改正により、銀行系ファンドによる対応が増加しています。今回は、銀行系ファンドの活用メリットについて、考えてみましょう。

事業承継に困る経営者は数多い

事業承継は、多くの中小企業にとって大きなハードルとして立ちはだかっています。後継者が見つからない企業もあり、下の図にあるように近年は、M&Aを活用するケースも増えています。

M&A件数の推移

しかし、実際に中小企業経営者の方々から話を聞くと、M&Aに対する不安の声が聞かれることも少なくありません。

他社へのM&Aとなると、雇用が維持されるかどうかなどが不安材料となります。また、ファンドへの売却となると、ファンドの資金の出し手である機関投資家の求める高いリターンが優先されがち。いずれの手法でも、株式譲渡後に不本意な状況にならないかという懸念を持たれる方も少なくないでしょう。

長年勤めている社員などの後継者候補がいる場合には、MBOが選択肢となりますが、本人の意向やモチベーションが極めて重要となるほか、株式取得に多額の資金負担が後継者に発生するということになると、躊躇することになるでしょう。

銀行のファンドを活用してみませんか?

そんななか、2019年に銀行法が改正されました。これによって銀行系ファンドによる事業会社の議決権の過半数を取得することが可能となるなど、国内で増え続ける事業承継ニーズにさらに幅広く対応することができるようになりました。

りそな銀行も「りそな企業投資」を設立。事業承継のお手伝いをしています。ファンドというと、「経営困難に陥った大企業を再生させる」といったイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、りそな企業投資は、「優良企業だけれども事業承継に困っている」という会社を対象としたファンドです。

具体的には、後継者不在などの課題を抱えるお客さま企業の株式を取得。3~7年程度を目安に、ガバナンス体制の再構築や中長期の事業計画の策定などの支援を通じて、円滑な事業(資本)承継と持続的な事業発展をお手伝いします。

事業承継は通常、株式譲渡など資金面での課題に加えて、後継経営者を中心とする組織体制の構築にも取り組まなければなりません。たとえば、会社を生み出した存在である創業オーナーは経験に裏打ちされた経営知見がありますが、後継者にも全く同じものを求められるでしょうか? トップダウンでしか動かない組織のままでは、早晩行き詰まることが予想されます。事業承継を機に、資本構成や肩書だけでなく、経営としても次のステップにしっかり移行していく必要があるのです。

りそな企業投資は株式・資金面での課題解決に加えて、そうした経営課題についても、後継陣・従業員の皆さまと力を合わせた伴走型のソリューションに全力で取り組んでいます。

事業承継で好ましい支援とは

2代目が安心して経営できる企業体制づくりの支援にあたっては、新経営陣や従業員の声をじっくり聞きつつ、時間をかけて行う必要があります。また、イグジットにあたっても、どれだけ企業の望みをかなえられるかが重要です。

りそな企業投資が運営するファンドは、事業承継のみを目的とし、りそな銀行が資金の出し手です。したがって、ファンドビジネスとしてリターンをしっかり手にしたい、というよりは、承継課題の解決により、お客さま企業に持続的な発展をいただくことで、末長く金融機関としてお付き合いをいただきたいという狙いを持っています。一定の資本提携期間のもとご支援を行い、しっかり実績が出たあとは、経営陣によるMBOや、最適な相手先への株式譲渡など、お客さま企業の「想い」を大切にした次世代の資本構成を対話により実現していきます。

他社やファンドへのM&A、さらにMBOなど、既存のメニューにはない新たな選択肢として、銀行系ファンドの活用も検討してみてはいかがでしょうか? ご興味があればぜひ、お近くのりそなグループにお気軽にお声がけください。

事業承継について、わかりやすく資料にまとめましたのでこちらもぜひご活用ください。

上記記事は、本文中に特別な断りがない限り、2023年11月24日時点の内容となります。
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