経営者と現場の板挟みにならないためのコミュニケーション術

中小企業ではそもそも従業員の人数が少ないため、経営者と従業員の間に立つ「中間管理」の役割を持つことがただ一人という場合もあるでしょう。
中間管理職が経営者もしくは従業員、どちらかの立場に偏ってしまっては会社がうまく回っていきません。板挟みにならないコミュニケーション方法を考えてみましょう。

中間管理職の役割とは

経営者と現場をつなぐファシリテーター

会社組織の多くは、組織の長が頂点にいてその下に末広がりに階層を構築しているピラミッド構造(ヒエラルキー型)をしています。
この構造は上意下達が行いやすいという特長があり、会社の方向性や組織のミッションを伝えることが中間管理職の役割です。

経営者にはさまざまな情報が入り、一般の従業員よりも視野が広くなるため、従業員にとっては突飛な発想、無茶な要求に思えることも。しかし後々振り返ると経営者の言うことが正しかったというケースも多々あるでしょう。
経営者の意図を噛み砕いて現場に伝える、逆に現場から出た意見を経営者に伝える、というようなファシリテーターの役割を中間管理職が担うことで両者の隙間が埋まります。
さらに人はそれぞれ長所や短所が異なります。会社の目標を部下の特性に合わせて個々人の目標に落とし込むことも中間管理職の仕事です。
目的は組織の成長と個々人の成長であり、経営者や上司のコピーを作ることではありません。自分自身の役割を把握し、経営者や部下に対して目的に沿った対応を心がけましょう。

経営者の意図を咀嚼し、徹底的に理解してから行動する

中小企業は意思決定が早いと言われます。経営者一人に決定権があることが多いため、上意下達のスピードが速いことからきているのでしょう。
もし経営者から急な号令が飛んだ時に、あなたならどうしますか?
中間管理職であるあなたがやってはいけないのは、号令をそのまま伝えることです。
まずは経営者の意見を十分に咀嚼すること。もし理解できないことがあれば納得できるまでコミュニケーションをとることが大切です。あなた自身が腹落ちすることで、従業員に対しても自分の言葉で伝えられるのではないでしょうか。
経営者の号令に納得がいかない時は現場の防波堤となり、経営者と戦う気持ちでとことん話し合うこと。その姿勢を見ていれば誰もあなたを「上司の伝書鳩」だとは思わないでしょう。

意見の対立を恐れるべきではない

会社の存在意義は、商品やサービスを通じて利益を上げることと、それによって社会に貢献することです。しかし、時代の変化により求められる商品・サービスは常に同じではなく、既存の商品・サービスを更新し、時には新たな事業を生み出す必要があります。
その際に社内で意見が対立しても恐れる必要はありません。各自が忌憚のない意見を出し合うことで新しいアイディア、新しい価値が生まれてくるものです。
意見の対立を回避するのではなく、思う存分に意見を出し合って建設的に議論する。議論の内容を具体的目標や作業に落としこんでいく。
中間管理職としてはこのような場面でも意見をまとめていくファシリテーターの役割と、リーダーシップを持つことで会社にとって価値ある存在になるでしょう。


中小企業の中間管理職は、経営者との相談やロードマップ作り、部下のマネジメントに加え、自分自身がプレーヤーの役割もこなす場合が多いでしょう。自身が業務過多に陥らないためにも、次のNo.2候補に仕事を任せ裁量を与えるなど、権限委譲を行う意識を持つことも必要です。自分自身と共に中間管理職を担える人材を育てることも忘れてはならない役割の一つです。

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上記記事は、本文中に特別な断りがない限り、2023年5月31日時点の内容となります。
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