「あなたの部下は、感じている問題点を隠さずに話してくれますか?」
Yesと答えられる方は多くはないと思います。
どうしても立場の壁があり、面談などでも聞き出せない部下の本音の部分。上の立場に行けば行くほど聞けなくなってしまう、その代表的なものをご紹介していきます。
一般的によくある部下の「ホンネ」
「業務の量が多すぎる!」
単純に仕事量が多く、いつまで経っても仕事が終わらない。明らかに非効率な手順を慣例として強制され、改善される見込みがない。残業が続き、肉体的にも精神的にも負担は増していくばかり。
管理職が1人あたりの適正な業務の量を適正に管理できていないことは明らかですが、上司のマネジメントを批判すればさらに大変な状況になる可能性があります。もちろん、そんな業務を課してくる上司へ直接言えるはずもありません。他のメンバーも忙しそうだから、相談しても状況が変わることはないだろうと諦めているかもしれません。
「職場の人間関係が悪い!」
同僚が非協力的である、上司との関係がよくない、職場内で嫌がらせを受けているなど、人間関係に関することも、言えない本音のひとつです。上司に言うことでさらに悪化することも懸念されるので、なおさら言いにくいでしょう。
「給料が安い」
賃金・賞与・退職金制度などの金銭的な不満は、離職・転職理由の調査では常に上位にランクインする項目です。
上司当人との面談では、もちろん口には出しません。収入や退職後の不安など、金銭面についてのことは「印象を悪くする」と思っているからではないでしょうか。
一般的に多い本音の例として、3つを挙げましたが、いかがでしたか。
厚生労働省の雇用動向調査結果によると、退職理由として「仕事の量が多い」「人間関係」「賃金への不満」が挙げられています(※1)。
「自分は部下からそんなことを聞いたことがない」と思われる管理職の方もいるかもしれませんが、むしろ管理職だからこそ部下は建前しか言えないのです。
自分の職場にある「ホンネ」を見つけるには?
不満を聞き出すのは難しいと認識する
まず大前提として、管理職と部下の利害関係があるため部下の不満を対面で聞き出すということは難しいでしょう。
もし不満をぶつけてくる部下がいたとしたならば、「もう辞める」と覚悟を決めた、退職も秒読みの状態であることも考えられます。
「職場への不満」を表に出してもらうことは難しいですが、逆に「職場の良いところ」を聞き出すことはとても有効といえます。人間の心理的に「良いところがない」とは言いづらく、少しでも良いところを探して列挙する行動をとるものです。
職場の複数名に聞いてみて、「職場の良いところ」として取り上げられなかったもの、たとえば「風通しが良い職場」「人間関係が良好な職場」を挙げた者がいないかごくわずかだった場合、その職場は「風通しが悪く」「人間関係が悪い」という疑いがあります。「良いところ」を把握することで、「良くないところ」が浮き彫りになってくるでしょう。
環境改善に向けて情報収集と理解を
職場環境の改善に必要な「不満点」を直接訴えることは、部下の身では難しいことを理解し、それを前提として「良くないところ」を把握していくのが、改善へと前進する第一歩になります。
部下が気持ちよく働ける、働きがいのある職場づくりのため、「良いところ」として挙げられるものを増やすよう努力していきましょう。
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