DXと聞くとどのようなイメージを持ちますか?音楽や映像のストリーミングサービスやAIを駆使したコンシェルジュサービスなど、私たちの周りでさまざまなDXが進んでいますが、企業の経理部門でのDXも大きく進んでいます。
中途半端に「デジタル化しただけ」であれば、「アナログ処理の方が慣れているので速い」という場合もありましたが、それはもう過去の話。DXにシフトすることで、大きく業務効率化となる事例をいくつかご紹介いたします。
悩みとも認識されていない悩みごと?
経理業務の中でも決済周りの業務は単調な作業になることが多く、実務担当者が慣れてくるとルーティーンワークとしてテキパキと処理しているケースが見られます。そのため、実際にはDXによってさらに効率化できるはずのことが、当たり前の業務として悩みや課題として認識すらされていない場合があります。
いくら担当者が優秀だからと言っても、デジタルの処理速度や正確さにはおよびません。また、そもそもDX化することにより郵送が不要になるなど、その業務自体が省略されるというケースもあります。
以下に決済周りでよくあるこまりごとと、それを解決する事例をご紹介しますので、貴社の業務と照らし合わせて効率化できる部分がないか確認してみてはいかがでしょうか。
各拠点で発生する支払いの精算業務に追われている
毎月の支払い業務の中で以下のような業務や課題はありませんか?
- 電気料金などの公共料金の請求書を大量に処理している
- 各拠点で発生する諸経費の現金管理に手間がかかっている
- ネット売買や広告費など特定の経費は本部の経理部門による精算処理が必要なので、毎回の申請をしなければならない
- 紙の領収書の保存、管理に手間が発生している
このような場合は「法人カード(クレジットカード・デビットカード)」で支払い業務をDX化することが可能です。同じ口座で複数枚のカードを作ることができるので、拠点ごとに法人カードを発行し、公共料金や出張等の旅費、物品のオンライン購入まで法人カードの決済にすれば、支払い管理を一元化できます。
明細もカードごとに特定可能でいつでも容易に確認でき、限度額の変更やカードの追加もオンラインで簡単に申し込みができるのが特徴です。
電子帳簿保存法改正によりキャッシュレス決済におけるデジタル明細が紙の領収書の代替になりました。これにより、事務コストや保管コストが削減されます。
また、法人カードを作成するにあたり、デビットカードの場合は、クレジットカードで必要なカード作成時の審査が不要なため、創業間もない企業でもカード決済を利用し、精算業務におけるキャッシュレス決済のメリットを享受することができます。
営業担当者は経費精算業務から解放され、経理担当も現金管理業務や振込業務を削減でき、会社全体で効率化が期待できます。
売上金を複数の金融機関の口座振替で行なっている
売上の回収も細かい確認作業が多いため、DXによる効率化の効果が大きい部分です。例えば以下のようなお悩みはありませんか?
- 毎月決まったお客さまからの資金回収業務を個別に行なっている
- 口座振替で集金をすると、各金融機関の請求業務が煩雑
- 口座振替依頼書を毎回作成している
- 口座振替とクレジットカード決済の回収手段が分かれていて面倒
口座振替による売上金の回収業務に複数の金融機関が関係している場合でも、指定口座に一括して自動で代理回収してくれるサービスがあります。これによって集金業務のコストを削減でき、取引先との口座振替依頼書などのやりとりを直接することもなくなります。このような場合は取引先にはオンラインで口座情報を入力していただくことで業務の効率化が可能となり、また毎月の売上金額が定額であれば請求業務も自動で行われるため、請求書作成の業務が不要になります。もちろん回収後の振替結果もデータで取得できるため細かい入力は不要になります。
オンラインでは口座振替だけでなくクレジットカードも並行して導入できるシステムもありますので、回収手段が違っても一度の請求で完結できるほか、決済手段が増えることでお取引先の利便性も向上します。
複数銀行の口座間の資金移送が頻繁に行われている
多くの企業は口座を複数の銀行で利用していますが、以下のような業務が発生していたり、課題になっていませんか?
- 本社口座に資金を集めるために毎回拠点口座から売上金に応じた資金移動を個別に行なっている
- 複数口座に資金を分散させているため、各口座の残高を確認してから不足額を送金している
- 資金の過不足調整が面倒で、余分な資金が眠っていることがある。効率的な資金運用ができていない
このような場合は、複数の銀行口座を一元管理できるサービスがあります。このサービスを利用すると、本社口座・営業所口座間の資金移動を自動的かつスピーディーに行え、あらかじめ決めておいたルールに対して、不足額を補うことができるため、資金管理業務の効率化に繋がります。
また、分散・滞留している資金がなくなるため、バランスのとれた効率の良い運用も可能になり、結果的に事業の成長を後押しすることにもつながります。
新しい当たり前を取り入れて収益率を改善しよう
経理事務のDXについてご紹介しました。
DX化による代表的なメリットをまとめると以下の3つがあげられます。
①事務作業の時間から売上を創出する時間へシフト(利益増加に貢献)
②アナログ処理によるミスの現象と入力・チェックの時間削減
③残業時間の削減
特に①については機械的な処理業務から、より付加価値の高い業務に社員のリソースを使うことになるため、これからの企業の発展には重要な意味を持ちます。
経理担当の方は、これまでの慣習から当たり前と思っている業務もあるかもしれません。今は便利なサービスが次々出てきていますので、一度業務を見直してみると良いでしょう。
DXでの課題解決及び法人決済ツールについて、わかりやすく資料にまとめましたのでこちらもぜひご活用ください。