「バックオフィス(経理、労務、総務など)の採用がうまくいかない」「ほしい人材が採用できない」・・・
そんな悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか?
生産年齢人口が急激に減少している日本では、バックオフィスの人材獲得はますます難しくなっています。
そんな中、人手不足を解決する新しい選択肢として、クラウドシステム(SaaS)とアウトソーシングを組み合わせた「BPaaS」というソリューションが登場し注目を集めています。
本記事では、BPaaSの特徴と、その活用方法について解説します。
BPaaSとは?
BPaaS(ビーパース)とは「Business Process as a Service」の略称で、端的に説明すると「クラウドシステムを活用したアウトソーシングサービス」です。
ビジネスプロセス=業務プロセスを外部企業に委託できるサービスを指します。
なぜBPaaSが必要とされているのか?
経理、労務、総務などバックオフィスを担う担当者の人手不足は深刻です。
一般的に、人手不足の課題を解決する方法は
- 採用強化
- クラウドシステム(業務効率化)の活用
- アウトソーシング
が考えられます。
①の採用強化は難しい現状にあります。実際、2023年に労務担当者500名に行ったアンケートでは、「労務担当者の採用は困難(条件を緩和しても困難)」と答える割合が44.8%を占めました。
また、労務担当者のうち57.4%が50代以上と、高齢化が進んでいます。20〜30代の若手が極端に少なく、今後も人手不足の傾向は続くと考えられます。

(出典:フリー株式会社「労務人材に関するアンケート」。2023年3月に中小企業の労務担当者500人を対象に実施)
②クラウドシステムの活用、③アウトソーシングについては下記の表のような特徴があります。

それぞれ、人手不足のソリューションとして効果が期待できるものの、課題も存在します。
②のクラウドシステムを活用する場合は、導入に工数や人材のリソースが必要であったり、導入しても使いこなせない可能性があったりします。
③のアウトソーシングの場合は、費用に見合う委託先の選定が困難であったり、今の業務をそのまま外部に委託するため業務の改善につながらなかったりする場合もあります。
業務効率化+アウトソーシングとしてのBPaaS
ここまでご紹介した2つの選択肢を組み合わせたものが、BPaaSです。
BPaaSでは、クラウドシステムを導入することで「今ある業務を効率化」しながら、その運用は事業者に任せることで「今ある業務を外部に委託」することができます。
2つの選択肢のデメリットを解消しつつ、両者のメリットを生かせる選択肢です。

BPaaSのメリットは、クラウドシステムの導入によって今ある業務を効率化しながら、アウトソーシングによって業務の委託を叶えられる点にあります。
クラウドシステムの導入における初期設定のハードルを、アウトソーシングの設定代行によって乗り越えることができる上に、アウトソーシングの懸念である価格や内製化への不安を解消することができます。
つまり、「クラウドシステムのメリットを生かしながら、社内の業務を最小限に減らせる」、両者のいいところ取りのサービスであると言えます。
BPaaSの導入事例
人事労務BPaaSの導入事例
あるお客さまにおいては、100名の従業員に対して労務担当者が1人の状況でなんとか通常業務を行っていました。
事業の発展とともに積極的に採用を行い、急速に従業員が増えていく一方で、労務担当者はなかなか採用できず苦労されていました。
そこで、BPaaSを導入したところ、労務担当者1人でも余裕を持って業務を実施できるようになりました。
BPaaSについて、理解が深まったでしょうか?
人手不足の時代において、業務そのものを効率化しながら社内業務を最小限に減らすことができる点で、今までになかった新しい選択肢と言えます。
人口減少が進む中、BPaaSの考えを取り入れたサービスは今後も増えていくと考えられます。
本記事をきっかけに、自社のバックオフィス体制の未来を考える機会になれば幸いです。
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