起業10年目から取り組むSDGs

新興企業の3割近くが10年を待たずに倒産している事実(※1)を踏まえると、創業して10年を迎えることはひとつの節目です。今後とも末長く会社が続いていくことを願う経営者がほとんどだと思いますが、そのためには何ができるでしょうか?

2015年は地球をいつまでも持続可能なものとするSDGsが提唱された年です。しかし、永続的であろうとする“SDGsの考え方”は以前から存在しており、長く続いている企業にはその思想を取り入れ、実践しているところが少なくありません。きっとあなたの会社にも取り入れられることがあるのではないでしょうか。10年続いた会社のビジネスモデルをいきなりSDGsに対応させようと思っても、ハードルが高く感じられてしまうかもしれません。それでもなお、変化する環境や人々の価値観の中であなたの会社をいつまでも存続可能とするために、SDGsの考え方を知ることから始めませんか? そして、あなたの会社でも取り組めそうな施策を考えてみましょう。

はじめに:「ウェディングケーキモデル」でSDGsを構造的に理解

SDGsには「ウェディングケーキモデル」と呼ばれる、SDGsの概念を構造的に表したものがあります。これは3つの階層からできており、下から環境圏・社会圏・経済圏の順に重なっています。一番上の「経済」は「環境」や「社会」の上に成り立っている、支えられているということを意味しています。SDGsが持つ17のゴールも階層ごとに置かれており、どの圏内にどういった課題があるか分かりやすくなっているため、このモデルをもとにSDGs施策を考えてみましょう。

※Stockholm Resilience Centreの図に追記

環境圏:環境を守ることが会社の成果につながることも

まずは一番下の環境圏から考えてみましょう。陸・海・水・気候など環境を守るSDGsゴールが集まっています。あなたの会社で環境に配慮した取り組みはどのようなことが考えられるでしょうか?

創業10年を過ぎたころには会社の規模が大きくなり、事務所の移転を考えているケースもあるでしょう。移転を機に購入する設備や備品などを省エネタイプに変える、エネルギー効率を考えたビル管理の運用をするといったこともSDGsへの取り組みにつながります。事務所移転がなくとも、電力削減など具体的な省エネ目標を掲げることで従業員の意識が高くなる可能性もあるかもしれません。また、思い切ってペーパーレス化など、業務効率の向上につながるビジネスプロセスの見直しを検討するのもよいでしょう。環境への配慮と合わせて、従業員一人ひとりが環境・社会的なコストを意識していくことでおのずと大きな効果を生んでいきます。

社会圏:すべての従業員が働きやすい職場環境づくりや従業員にうれしい制度を

次に位置するのが社会圏です。創業10年目あたりでは従業員の入れ替わりも多くなってきたり、大量採用を始めたりする会社もあるでしょう。国籍・人種等を問わない雇用や障がいのある方も働きやすい職場づくり、ジェンダーギャップに目を向けた登用推進などを行ってみると多様な人材や価値観がぶつかり合い、ビジネスにとってもプラスになる新たな発見があるかもしれません。また、2022年4月より順次施行される「育児・介護休業法」の改正にともない、男性の育休取得に関する制度が整えられつつあります。さまざまな人が働きやすい職場にすることはSDGsの目標にも合致しますし、人材獲得のためのアピールポイントにもなります。
福利厚生の充実もSDGsゴールの「3:すべての人に健康と福祉を」や「4:質の高い教育をみんなに」などにつながり、かつ従業員のモチベーションアップにも重要な要素です。特別休暇の新設や、従業員自らが選択できる教育セミナー・スポーツクラブの利用割引の提供などは、従業員にとっての喜ばしい制度となって、定着率アップにも寄与するのではないでしょうか。

経済圏:環境・社会を守り、不平等を排除して企業経済の発展を考える

社会圏の上に位置するのは経済圏です。
最近ではオンライン会議システムなどの発達により、職種によってはオフィスに出勤せずとも仕事をすることが可能です。創業10年目を迎え、より高い専門性を持つ人材や特定の経歴を持った従業員の採用を考えるのであれば、オンラインシステムの利用によって遠隔地の人材も選択肢に含めることができます。より自社に合う人材を確保することが可能になるでしょう。また、地方の場合は雇用創出、地域活性化としてSDGsに関連していきます。

「12:つくる責任・使う責任」はかつてのような大量生産・大量消費を反省した考え方です。豊かさの象徴としてみられた大量生産・大量消費は人間の生活を便利にした反面、環境を犠牲にしてきました。現在では、環境や社会・人を思いやる「エシカル消費」が人々の支持を得ており、リサイクルを念頭に商品を開発したり、むやみに廃棄物を増やさないことが当たり前となりつつあります。環境に対しての取り組みだけではなく、例えば「フェアトレード」など、社会にとっても人にとっても思いやりの気持ちを持った経済活動がSDGsの視点なのです。

「ウェディングケーキモデル」から、「経済」が「環境」、「社会」に支えられて成り立っていることがご理解いただけたでしょうか? SDGsの認識がより浸透していくこれからの時代は、「経済」つまり「企業経済」も「環境」や「社会」を守りながら発展できるように考えなければなりません。まずは、SDGsと自社事業のつながりを考えるところから始めましょう。創業10年目を節目に次の10年、さらに20年と、長期的な視点で、17のゴールを自社事業に関連づけた事業戦略策定などのお手伝いが必要な場合には、りそな銀行にご相談ください。

※1 東京商工リサーチ「倒産企業の平均寿命23.8年 3年ぶりに上昇【2021年】」

SDGsについて、わかりやすく資料にまとめましたのでこちらもぜひご活用ください。

【該当するSDGs目標】

上記記事は、本文中に特別な断りがない限り、2022年7月22日時点の内容となります。
上記記事は、将来的に更新される可能性がございます。
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