新卒採用を考える際に、世代に関しての理解というものは欠かすことのできない要素です。今回は、いわゆる「Z世代」以降の学生が就活において企業を選ぶ際に、一体どのようなポイントを意識しているのかを見ていきましょう。
学生が企業に求めるもの
学生が企業を選ぶ基準とは、すなわち企業に「こうあってほしい」と求めるものに他なりません。そしてZ世代以降の学生が企業に求めているものとして存在感を増しているのが、SDGsです。
2024年卒の学生を対象とした就活に関するアンケート(※1)では、「就職先企業を選ぶ上で重視する点はなんですか。」という設問に対して、19.1%、つまり約5人に1人が「SDGsに対する姿勢や取り組み」であると回答しました。また、この回答をした方に「企業のSDGSへの取り組みは企業選びに影響しますか。」と追加質問をしたところ、「とても影響する」「少し影響する」と回答した方は合わせて91.7%に上っています。
給与や福利厚生などの待遇面も当然重要ではありますが、Z世代以降の学生は企業にサステナビリティ、つまりSDGsに代表される対応を求めており、SDGsへの取り組みの有無が企業を選ぶ基準のひとつになっているのです。
では、学生は企業のSDGsへの取り組みを通じてどんなことに注目しているのか個別に見ていきましょう。
企業の将来性
上述の調査結果(※1)では、SDGsが必要とする理由について、「世間のイメージも企業が成長するかどうかも少なからず重要なファクターだから」、「利益だけを追求しない形が今の時代に必要だと考えるため」という声もあがっています。
SDGsの取り組みは企業の中長期的な事業計画に組み込まれることが多く、その目標は対外的に公開することが推奨されています。学生が就職活動で企業研究をする際には、企業からの公開情報やメディアを参考にします。そのときにSDGsに関連した事業計画などを目にできると、その企業が将来の社会・ビジネス環境にどういった対応をしていくのかが理解してもらえるでしょう。半数以上の学生がSDGsを意識しているという調査結果と合わせて考えれば、SDGsに対応しているかどうかで、学生はその企業の将来性を判断するようになりつつあると言えます。
働きがい
また、同調査(※1)中に寄せられた学生の声として、「近年の社会の潮流を汲み取った企業であるかどうかの判断材料になる」「会社は社会的に存在する中で利益を上げると共に環境面や人に対して配慮する必要がある」「社会的責任を守らなければクライアントからの信頼も得られない」といった意見が見られました。つまり商品・サービスなど事業内容そのものに社会的価値が感じられる仕事や経済的価値と社会的価値を両立できる仕事に働きがいを見出している学生が多いとも読み取れます。
持続可能なビジネスモデル
同じ調査では、「就職先企業を選ぶ上でSDGsに対する姿勢や取り組みを重視する」と答えた学生に対し、さらにその理由を問いかけています。「将来性のある企業だと判断できる」に次いで多かったのが、「企業イメージが良く、親しみが持てる」という理由でした。さらに「コロナ禍で持続可能なビジネスモデルの必要性を実感したから」という理由もあり、自然災害や新型コロナウイルスのまん延による社会生活の変化など、避けようのない事態にもフレキシブルに対応し、どんな状況でも社会から求められ続けるビジネスモデルであるかも、将来性判断の重要な軸になっていると見ることができます。
多様な働き方
また、同調査において「SDGs17の目標のうち関心の高いものはどれですか?」という質問の回答数トップは「5. ジェンダー平等を実現しよう」でした。本業でのSDGsへの取り組みと共に、女性活躍や男性の育休取得、多様な働き方を支える社内制度の充実を伝えることも、SDGsへ積極的である企業姿勢を示すことにつながります。
SDGsへの関心は、今や社会人や企業にだけ影響のあるものではなくなっています。時代の潮流は確実に社会の持続可能性への関心を高めており、Z世代以降の学生が企業を選ぶ際に、SDGsへの取り組みに注目するのは必然の流れとも言えるでしょう。
これからの企業活動には、「SDGsへ取り組むこと」、「その内容を適切に発信すること」、また「サステナブルな企業活動を支える制度構築」が重要となってくることは疑いの余地がありません。
SDGs対応が未検討でしたら、この機会に検討することを考えてみてはいかがでしょうか。
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SDGsについて、わかりやすく資料にまとめましたのでこちらもぜひご活用ください。