飲食業で店舗数拡大時に経営者が考えるべきキャッシュレス対応とは

立ち上げた飲食店がヒットし、店舗を増やしてさらに成長させたい——。はたまた、1店舗ではスケールしづらいので、ドミナント戦略で反転攻勢をかけたい——。多店舗展開はメリットが見えやすいですが、増えるコストとリスクもしっかり想定したいところです。

店舗拡大で忘れたくない「リスク」と「コスト」

人材教育が追いついているかチェックを

店舗の数が増えると、店長やスタッフを多く雇用する必要があります。1店舗運営の時は、顔のよく見えるスタッフとコミュニケーションが取れ、イレギュラー時は個別のオペレーションで事足りましたが、複数店舗運営ではマネジメントの手法が違ったものになります。経営者の思いを汲み、高い熱量で店舗を任せられる人材を育てるのは、たやすいことではありません。

増えるリスクにも着目を

人材教育が不十分だと、各店舗での売上の集計や売上金の管理などはリスク要因になり得ます。また、集計や発注でミスが出ると損失や影響が大きくなり、店舗ごとに接客や商品の質のバラつきが出ると、他店舗の評判にもかかわります。経営者の目が直接届かない規模になると、より一層のリスク対策が必要です。

管理コストがどれだけ増大するか精査を

多店舗展開には、出店に伴う初期投資のほか、原材料費や賃料、光熱水費、システム導入やスタッフの教育、防犯対策、税負担など、あらゆるコストが増大します。店舗拡大による目先の売上アップに目を奪われず、コスト管理の徹底が求められます。

リスクとコストを軽減するソリューション

マニュアル・システム化

人材教育を進める上で、業務内容や教育方法についてのマニュアル化が重要です。既存店のノウハウをまとめ、定型業務を効率よくこなせるようにしたいところです。1店舗の時に通用した属人的なやり方から脱皮し、業務の標準化を目指しましょう。

オペレーションの自動化

人材教育に注力しても、人の手で注文・会計をする限り、ミスを完全になくすのは至難の業。慌ただしい飲食店ではなおさらです。レジに高額の現金を抱えておくのも、防犯上の不安が残ります。そこで、可能な限りオペレーションを自動化し、現金決済比率を下げることが有効です。

決済領域の管理コスト

さまざまある管理コストのうち、節減できるものを吟味することが大切です。無駄な業務や設備をできるだけ減らし、リスクとともにコストを抑えたいものです。中でも検討する価値が高いのは、決済領域です。

効率化とミス防止に有効なキャッシュレス

現金管理の手間を減らす効果

キャッシュレス決済の導入により、現金管理の手間が軽減されるとスタッフの負担は減り、現金の紛失や盗難などのトラブルのリスクを小さくできます。レジに現金を用意しておくために、金融機関に出向く回数を減らすことにもつながります。

顧客の利便性とニーズも高まる

経済産業省が算出した2021年のキャッシュレス決済比率(※1)は全体で32.5%と、13.2%だった2010年から右肩上がりです。同省は2025年度ごろまでに40%程度に引き上げる方針で、今後も堅調に利用が伸びる見込みです。またインバウンド需要が戻れば、ニーズは一段と高まるはずです。中でも近年急伸しているのが、二次元コードなどのコード決済です。2018年は0.05%でしたが、2021年には1.8%に。キャンペーンが多く打たれ、手数料が低いこともあって普及が進んでいます。

充実する各社のサービス。資金繰りや手数料引き下げに追い風も

感染症対策や衛生管理の観点から、非接触型のシステムやアプリが多く登場しています。スマートフォンやタブレットで注文・決済ができる「モバイルオーダー」を目にする機会も増えました。コロナ禍で一気に身近になったテイクアウト・デリバリーでは、キャッシュレス決済が前提となっています。

各社からリリースされているソリューションをじっくり検討するのがおすすめです。決済代行会社に支払う手数料は、売上と連動して増えるため、慎重に比較したいところ。初期費用が不要の端末も多く、出店費用を抑える上で大きな魅力になります。入金サイクルの短縮や、手数料率の引き下げにつながるケースもあります。

メリットの多いオールインワン端末

最近では、「クレジットカードのみ対応」という端末だけはなく、「オールインワン端末」も普及しつつあります。複数の決済手段をカバーし、プリンター一体型もあります。レジ周りをコンパクトにまとめられ、顧客の印象アップにもつながりそうです。POSレジやオーダーシステムと連動した端末もあり、効率よい店舗づくりの強い味方です。

多店舗展開は、人材育成に目を配り、マネジメントの不安と経費をいかに抑えるかがカギになります。社長1人で全店舗をウオッチできなくなったフェーズなら、キャッシュレス化の効果をいっそう実感できるはずです。

※1 経済産業省 ニュースリリース 「2021年のキャッシュレス決済比率を算出しました」

キャッシュレス決済について、わかりやすく資料にまとめましたのでこちらもぜひご活用ください。

上記記事は、本文中に特別な断りがない限り、2022年10月4日時点の内容となります。
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