従業員が100人を超えたら要チェック。「経費精算」スマート化への道

自ら起業した中小企業の社長にとって、「従業員数100人」は一つの節目と言えます。事業の成長を実感し、活気の出てきた社内に充実感を覚えるでしょう。その半面、法的にやるべきことは増え、全体を掌握することは簡単ではなくなります。起業当初のやり方では通用しない課題や業務も多くあるはずです。従業員数が100人を超えたら、業務を効率化し、生産性を向上させることも考えていきたいものです。特に、経費精算は従業員が増えると担当者の負担も増加します。「経費精算にかかるリソースを他の業務に振り向けたい!」と考える経営者は多いのではないでしょうか? 今回は、従業員数が100人を超えたら検討したい、経費精算を効率化する方法をご紹介します。

「100人」を超えると、やりがいも責任も大きく

事業の拡大に伴って人手が必要になり、戦力の充実がさらなる成長につながる……。従業員が増えることは、会社の「生みの親」である社長にとって特別な達成感があるはずです。 ただ裏を返せば、それだけ多くの人生を支える責任を負うということでもあります。従業員の家族まで考えると、さらに重みも増すというもの。

常用労働者が101名以上になると、次世代育成支援対策推進法(※1)により、仕事と子育てが両立できる環境を整えるなどの「一般事業主行動計画」の策定と、その実施状況を把握することが義務付けられます。同様に女性活躍推進法では、女性の活躍に関する情報の公表が必須になっています。障害者雇用促進法に基づき、障害のある人の雇用も求められ、法定雇用率を下回った場合は納付金を納める必要もあります。

管理業務をアップデートする好機に

また、ガバナンスや人事労務の負担も大きくなります。部署を越えたコミュニケーションが難しくなる中、報告がきちんと上がる仕組みを築き、事情を抱えた従業員の要望に応え、多様な働き方やワーク・ライフ・バランスを充実させ、労務トラブルにも対応し……と、なすべきことは山積み。職場の環境整備に多くのリソースが割かれます。だからこそ、非効率な旧来のやり方を変えるべき好機です。

経費精算業務に「課題あり」、7割以上

中でも経費精算業務は、申請する側にも、管理する側にも大きな負担。経理DXサービスを提供するSansan株式会社が2024年に実施した「経費精算業務に関する実態調査」(※2)によると、72.8%の回答者が立替経費に「課題を感じる」と答え、その課題の内容についても「精算処理が面倒」(33.9%)が最多、次いで「領収書や証拠書類の管理が面倒」(31.4%)となり、精算処理自体に手間がかかっていることがうかがえます。また、回答者全体の46.2%という実に半数近くが「通常業務の妨げになっている」と感じているようです。

この調査結果から、経費の立替で生じる精算処理は大きな負担になっていることが浮き彫りになりました。

経費精算業務にありがちな「お悩み」は

経理担当者を悩ませるものは、どういうものでしょうか? まず、申請のプロセスが複雑なため、「申請」「承認」「差し戻し」と何度もやり取りを重ねがちなことがあります。通勤定期の区間など細かなチェックに追われるほか、働き方改革で出社の機会が減ると、申請用紙の処理が滞ることもあるでしょう。ルールの不徹底も心配の種です。また、先ほどの調査によれば、回答者の40%近くが「経費の不正利用の噂を見聞きしたことがある」と答えています。

これらのお悩みは、経費精算システムを導入したうえで、申請プロセスそのものをシステム利用前提で見直すことで解消できるものです。

経費精算システムの導入メリットとは

経費精算システムは数多くありますが、共通する代表的なメリットをみてみましょう。

まず、社内規定に反する申請を自動ではじき、差し戻しの手間を省くことができます。交通費なら、定期区間の運賃を自動で控除可能です。例えば、品川駅から東京駅まで定期で通勤している人が、東京駅から横浜駅に出張した場合、東京~品川間を自動で差し引くというもの。これにより、過剰に申請してしまうミスを防ぐことができます。

システムでは交通費の他、出張旅費や交際費、業務上必要な物品を購入した際の経費、福利厚生施設の利用料など、あらゆる処理を一元管理できるのが特徴。スマホなどにも対応しているため、外回りや出張中の空き時間で申請でき、時短とストレス軽減につながります。
また、コーポレートカードとシステムを連携することで立替払いを減らすなど、現金で行っていた経費利用のプロセスそのものを改めることも可能です。立替処理の件数削減や、不正利用を防ぐ効果も期待できます。このような業務改善ができるのも、経費精算システムならではです。

従業員数100名以上となった企業では経理業務の量も多くなり、それに比例してシステム導入の効果も大きくなります。ルーティンの多い管理業務を省力化し、また経費利用プロセスを最適化することで、利益や価値を生み出す業務にリソースを配分でき、会社全体の生産性が高まるでしょう。

(※1)厚生労働省「次世代育成支援対策推進法」
(※2)Sansan「経費精算業務に関する実態調査」

法人決済ツールについて、わかりやすく資料にまとめましたのでこちらもぜひご活用ください。

上記記事は、本文中に特別な断りがない限り、2025年6月16日時点の内容となります。
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