若手社員が求める社内制度

変化の激しい時代の中で、現代の若者は不安にさらされています。日本においては確実にやってくる人口減少、超高齢化社会、また地球規模では環境破壊などの問題がある中で、若者はこれまでとは違った価値観を持って生活しています。これからの企業の継続的な運営には彼らの力が必要です。そのためにはまず企業側から彼らの価値観に寄り添い、共感する姿勢を示す必要があります

では、現代の若者から見た企業の価値や魅力とはどんなものがあるでしょうか?知名度があること?給料の高さ?将来の安定?それらは確かに魅力の一つです。しかし、大企業に入社したら生涯安泰という考え方からは確実に変化しています。
今の若者が持っている価値観から見た、魅力的な社内制度を項目別にご紹介いたします。

若い社員の価値観が求める社内制度

若者の価値観① 人生を楽しみたい!

日本生産本部の新入社員「働くことの意識」調査結果(※1)によると、仕事よりも生活を重視する割合が大きく増えています。ワーク・ライフ・バランスの実現に関する制度が重視されていることが分かります。

この結果は、仕事だけの人生にしたくないという危機感を持っているとも言えます。

彼らの価値観に応える具体的な対策には以下の二つが考えられます。

1つ目は、休日・休暇の制度が整備されていること。有休消化率が高いことはもちろんですが、法令で決まっている以上の育児休暇や介護休暇の期間延長ができるか、ノー残業デーや記念日休暇など、会社独自の特別休暇なども好まれる傾向にあります。もちろん制度だけではなく実際に使われているか、使いやすい雰囲気を経営陣や管理職が作れているかも重要です。さらに、育児休暇に関しては、女性だけではなく男性も取りやすいか、育休復帰後の支援やポジションはどうかなど、カタチだけの制度にならない工夫が必要です。

2つ目は勤務する時間や場所の自由度があること。出勤日であっても、テレワークによって通勤にかかる時間を削減できたり、フレックスタイム制度によって平日の日中に自由な時間を確保できるようになります。このような柔軟な働き方が重視されています。

若者の価値観② 自分らしく成長したい!

同じ調査において、会社を選ぶときに重視した理由として、最も多いのは「能力・個性を活かせる」ことです。また、昭和46年からの推移では、「会社の将来性」が衰退し、「仕事の面白さ」が上昇しています。自分の力を発揮することによる楽しみを見出していきたいという願望に変わっているといえます。

また、同調査の就労意識に関するアンケートでは、「どこでも通用する専門技術を身につけたい」に肯定的な回答が9割以上、「これからの時代は終身雇用ではないので、会社に甘える生活はできない」に肯定的な回答が8割近くあり、自身の個性・能力をさらに伸ばし、何があっても大丈夫なように備えておきたいという、不安からくる願望が見て取れます。

このことからは社員の成長を促進するキャリアアップ制度が求められているといえます。具体的には、資格取得に関する社内での勉強会受験料・報奨金などの金銭的補助社内FA制度など、自身が望むキャリアを会社が後押しするような人事制度が整備されていることが魅力的に映るでしょう。

また、以降で紹介する就活生の意識調査においても、資格取得支援や、自身の個性を伸ばし、成長できる環境が望まれていることも意識しましょう。

若者の価値観③ 金銭的な不安を解消したい!

株式会社マイナビの就活生へのアンケート(※2)によると、特に注目した福利厚生は1位が「家賃補助」(64.3%)、次いで「社宅・社員寮」(46.8%)、「交通費の支給」(40.5%)と続きました。金銭的な補助があるかどうかを重要視していることがうかがえます。

生活を送る上で給料以外の補助制度は、自由に使えるお金をより多く確保できる安心を提供することができます。就活生及び若手社員にとって金銭的な不安を解消できるこのような制度は、ありがたく思われるでしょう。

このことから、現在の金銭的不安と同様に、将来(老後)の金銭的不安も抱える若手社員にとって、その解消の一助となる退職金や企業年金などの制度は魅力的に映るといえそうです。

若者の価値観④ 人や社会の役に立ちたい!

同じくマイナビの調査では、入社してやってみたいことの第1位が「人の役に立てる仕事がしたい」(40.4%)、第3位に「社会貢献ができるような仕事がしたい」(27.7%%)
がランクインしています。

今の若者は自分の給料のために売上を上げることよりも、社会の役に立つことを望んでいます。「売上目標の達成、おめでとう」と称賛されるだけでは足りず、「お客さまや社会の悩みやこまりごとを解決している実感」を得られるような仕事を求めています。しかし、直接的に感謝を伝えられたり、社会貢献の実感が見えにくい業種や職種も少なくありません。そのような場合には、企業がCSR活動として仕組み化することで、企業活動を通じて社会の役に立っている実感を得ることもできます。
例えば、環境保全や景観保護活動、多様性の受け入れなど、SDGsに関する取り組みには関心が高いでしょう。


若者が求める社内制度を若者が抱えている願望や不安解消に沿って項目別にご紹介しました。これらは、どれも重要な指標であるため、どれかひとつができていれば他はできなくても良いというものではありません。
そして最も重要なことは、福利厚生や社内制度は企業から社員へのメッセージだという認識です。なぜこの制度を取り入れたのか?これらの制度で社員に何を実現してほしいのか?それをあわせて発信することで、企業の理念が社員たちに伝わり、時代に即した企業文化の醸成と持続的な発展へとつながることでしょう。

(※1)公益財団法人日本生産本部 平成31年度新入社員「働くことの意識」調査
(※2) 株式会社マイナビ 2022年卒 マイナビ学生就職モニター調査 8月の活動状況

【該当するSDGs目標】

上記記事は、本文中に特別な断りがない限り、2022年4月4日時点の内容となります。
上記記事は、将来的に更新される可能性がございます。
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