事業課題解決に、専門人材採用という考え方

新規事業を立ち上げたり、業務効率化を図って経営効果を上げつつ働き方改革に取り組んだりと、企業がやるべきことは多岐に渡ります。それらを実現するにあたり、社内に任せられる人材はいるでしょうか。能力はもちろんのこと、リソース面でも注力できる状態でしょうか。
こうしたときに有効なのが得意とする人員を新たに確保すること、それが「専門人材」を採用するという手段です。

採用に関して企業が抱える課題

まず、人材採用の概況を見てみましょう。
人材不足が叫ばれる原因は、生産年齢人口の減少です。帝国データバンクの調査(※)によると、2024年4月時点で「正社員が不足していると感じている」企業は51.0%、非正社員で30.1%と、高い数値を示しています。

人手不足割合 推移(各年4月時点)

資料:帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査」(2024年4月)

同じ調査では、とりわけ人材確保に悩む情報サービス業において「AIブームのなかで人材が確保できず、自社での開発を断念するなど案件数が一時に比べると減少傾向にある」「開発案件は多く出てきているが、開発案件に対応できるスキルマッチした要員が不足しており受注に至らない」などの悩みが挙がっています。ここからは、必要なスキルを持った人材が不足していることがネックとなり、売上拡大につなげられない状況が読み取れます。


ビジネスの変化が激しい時代にあって、柔軟な対応力を持ち即戦力として活躍してくれる人材は貴重です。同時に求職者にとっても、いかに即戦力として働けるかが自分の「売り」になってきています。
そこで職種に特化した「ジョブ型採用」が増加する傾向にあり、専門人材に注目が集まっているのです。
企業としても自社のビジネスを発展させるチャンスと捉え、こうした優秀な専門人材の獲得に取り組んでいます。

専門人材とは

一定の分野に特化した知識や経験を持っている人材のことです。
どの企業も、欠員や組織の停滞(マンネリ化)、あるいは今後の事業拡大への対応など、さまざまな課題を抱えています。そこへ専門人材に参画してもらうことにより、解決できる可能性を高められます。
例えば、製造業で「DXによる業務効率化を図りたい」という課題があった場合、製造業のITに知見があり、他社でDX事業を成功させた経験のある専門人材を採用する。
新規事業の立ち上げを行う場合、その分野の知見がありつつ、全体統括ができる能力のある人材を獲得する、というイメージです。
自社に不足しているスキルを専門人材の確保によって補い、経営への好影響をもたらすことができます。

専門人材を採用する目的

①即戦力獲得

未経験者に比べて育成コストがかからないことが最大のメリットです。業務内容によっては入社当日から即業務に取り掛かってもらえることもあり、欠員補充の場合にも効果的です。

②組織活性化

他の組織から入ってきた人は良い意味で自社に刺激を与えてくれます。業務の遂行方法だけでなく新しい文化や考え方を取り入れられ、組織の活性化につながります。

③ビジネスの幅を広げる

専門人材は言うまでもなく、自社に足りないスキルやノウハウを持っています。新規事業を始める際にはその分野に特化した専門人材を採用し、ビジネスチャンスを確実なものにすべきです。

気をつけたいのが、専門人材だからといってすべてを任せてしまわないことです。まったく育成・指導を行わなくて良いわけではありません。企業ごとに慣習の違いがあり、組織の一員として他の従業員との連携がしやすいよう、企業側が間を取り持つ必要があります。新しい文化を持ち込んでくれるのも専門人材を採用するメリットの1つですが、元々の企業文化やビジョンとのミスマッチが起きないよう、コミュニケーションを欠かさないようにしましょう。

企業のおこまりごとに対して専門人材の採用を決定した例を、さまざまな業界別にまとめてみました。ぜひご参照ください。

優秀な人材獲得は、採用目的の明確化から!

採用活動の前に、自社が人材採用する目的を明確にし、適切な採用戦略を立てましょう。今後の経営に大きな影響を及ぼす案件ですから、経営計画、企業ビジョンなどに鑑み、経営者も積極的に関わるべきです。

専門人材の採用には、人材紹介会社だけでなく、経営状況を把握している金融機関などに相談するのも良い方法です。りそな銀行でもご相談を承っていますので、ぜひお問い合わせください。

(※)株式会社帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2024年4月)」

人材戦略について、わかりやすく資料にまとめましたのでこちらもぜひご活用ください。

上記記事は、本文中に特別な断りがない限り、2024年7月5日時点の内容となります。
上記記事は、将来的に更新される可能性がございます。
記事に関するお問い合わせは、お手数ですがメールにてご連絡をお願いいたします。